エピソード10

子どもは本当に可愛い存在でした。女の子はよくお手紙をくれました。年長さんにもなると、イラストと文字をきちんと書き、せんせいかわい、せんせいだいすき、の言葉がとても嬉しかったです。男の子は頼りになり、よくお手伝いをしてくれました。何冊もの絵本を職員室から運んでいると、手伝うよ、と声をかけてくれました。可愛く、愛おしい子ども達の存在のおかげで、私はこの仕事を何年も続けられました。
一方で、辛く困難な出来事もありました。子どもが怪我をした時には、保護者の方に申し訳ない気持ちと、守ってあげられなかった、防げなかったと言う、罪悪感がありました。また、保護者の方に怪我の状況を伝えるにも、どんな状況で、いつ、どうやって、と細かく説明するので、言葉選びに注意をはらっていました。その時に、お叱りをうけることもありました。子ども達の命を預かる事の難しさを、感じていました。
保育士同士の人間関係に関しても、難しい部分がありました。担任をしているのは、独身で未婚の職員が殆どで、歳上のパートの職員は、家庭があり子どもがいます。私は担任をしていましたが、経験年数も浅く、不慣れなのに、担任だから正規職員だから、と荷の重い仕事を任せられる事がありました。それに加え、ミスがあると、叱られ、責任がのしかかってきます。歳上で経験のある人が担任をすべきと重いますが、保育園、幼稚園は女性が中心の職場で、結婚、妊娠出産で、働き方を変えざるおえない状況の中で、難しい事だとも感じます。また、この経験が保育と言う仕事へのマイナスイメージになり、潜在保育士が職場復帰したがらない一因にもなっているともおもいます。保育園、幼稚園の働き方が、よりよくなる事を願っています。